フランス・ロワール地方の銘醸地プイィ・フュメで、ソーヴィニヨン・ブラン100%から造られる辛口白ワインです。
ライムやブラッドオレンジなどの鮮やかな柑橘香に、アニスやフェンネル、白い花、ほのかなスモーキーさが重なる、華やかで奥行きのある香り。口に含むと豊かな果実味がふくらみ、フレッシュな酸と繊細な塩味が全体を引き締めます。
親しみやすい果実味を備えながら、プイィ・フュメらしいミネラル感と個性もしっかりと楽しめる、爽やかで飲みごたえのある一本です。
【ワイン】
外観は、ほのかにゴールドの輝きを帯びた、明るく淡いイエロー。
グラスからはアニスやフェンネルを思わせる爽やかな香りと、プイィ・フュメらしい繊細なスモーキーさが立ち上がります。空気に触れると、ライムやブラッドオレンジなどの生き生きとした柑橘香が広がり、白コショウ、アーモンドパウダー、ユリを思わせる白い花のニュアンスが複雑さを加えます。
口当たりはふくよかで、熟した果実を思わせる豊かなボリュームがあります。柑橘類のフレッシュな風味を中心に、次第にマンゴーのようなエキゾチックフルーツのニュアンスが現れます。後半にはみずみずしい酸と繊細な塩味が感じられ、ほのかなスモーキーさを伴う、爽やかで長い余韻へと続きます。
ブドウ畑はロワール川に近い南西向きの斜面に位置し、砂質、粘土質、キンメリジャン期の石灰岩が混じる土壌でソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。ワインはステンレスタンクとコンクリートタンクで熟成。残糖量は1リットル当たり0.37gと非常に少なく、果実の豊かさを感じながらも、味わいは明確な辛口に仕上がっています。
2023年は極端な暑さや干ばつの影響が比較的少なく、収穫されたブドウは高いフレッシュさと純粋な果実味を保ちました。ミネラル感と繊細な塩味が表れ、華やかな香りとバランスの良さを備えたヴィンテージです。
【醸造所】
シャトー・ド・トラシィは、ロワール川を見下ろすトラシー=シュル=ロワールに位置する、長い歴史を持つ家族経営のワイナリーです。
シャトーに保管されている1396年の文書には、「レ・シャン・ド・クリ」と呼ばれるブドウ畑を購入した記録が残されています。この区画は現在もシャトーが所有し、ソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。シャトーは中世から続く歴史と、プイィ・フュメのテロワールを守りながらワイン造りを続けています。
畑はプイィ・フュメ北部のロワール川を望む斜面に広がり、シレックスを含む粘土質土壌や、キンメリジャン期の泥灰土、石灰質土壌など、多様な地質に恵まれています。こうした土壌は、ワインに力強さ、ミネラル感、ふくらみ、繊細な塩味をもたらします。
畑や区画ごとの個性を尊重し、醸造では必要以上に手を加えず、ブドウとテロワール本来の特徴を引き出すことを大切にしています。
環境保全にも早くから取り組み、2014年にはHVE(環境価値重視認証)の最高段階であるレベル3を取得。現在は畑全体でビオディナミ農法を実践し、土壌、ブドウ樹、生態系のバランスを重視しています。2023年の公式テクニカルシートには、フランスの有機農業認証「AB」、EU有機認証、認証機関ECOCERTの表示があり、同ヴィンテージは有機認証ワインとして造られています。
【お料理との相性】
豊かな果実味とフレッシュな酸、繊細な塩味を備えているため、魚介料理や白身魚と美しい相性を見せます。
ホタテのソテー、サーモンのマリネ、スズキや鯛のグリル、白身魚のレモンバターソースなどがおすすめです。ディルやフェンネル、タイムなどのハーブを使った料理は、ワインに感じられるフェンネルや白い花の香りを引き立てます。
和食では、白身魚の寿司や刺身、手まり寿司、塩で味わう天ぷら、スダチやカボスを添えた焼き魚によく合います。ワインの柑橘系の風味と清涼感が魚介の繊細な旨味に寄り添い、ミネラル感が後味をすっきりと整えます。
鶏肉や豚肉のレモンクリームソース、山羊乳のチーズとも好相性。プイィ・フュメの公式案内では、魚介料理、ホタテ、魚料理、クリームやレモンを使った白身肉、山羊乳チーズなどが代表的な組み合わせとして紹介されています。
8~11℃程度に冷やしてお楽しみください。冷やしすぎた場合は、グラスの中で少し温度を上げると、柑橘類、ハーブ、白い花の複雑な香りがより豊かに広がります