フランス・ブルゴーニュ地方の銘醸地ジュヴレ・シャンベルタンで、ピノ・ノワール100%から造られる村名格の赤ワインです。
「コンブ・デュ・ドゥス」と呼ばれる約0.5haの区画には、1929年、1941年、1985年に植樹された古いブドウ樹が残されています。長い年月をかけて地中深くまで根を伸ばしたブドウから生まれる、凝縮感のある果実味と複雑な風味が、このワインの大きな魅力です。
クランベリーや野イチゴ、ブラックチェリーを思わせる果実香に、ドライローズや森の下草、土やスパイスのニュアンスが重なります。繊細でありながら芯のある味わいと、シルクのようになめらかなタンニンを備えた、落ち着きと品格を感じさせるジュヴレ・シャンベルタンです。
【ワイン】
外観は、紫の輝きを帯びた深みのあるルビーレッド。
グラスからはクランベリー、野イチゴ、赤スグリなどの赤い果実に、ブラックチェリーやブラックベリーを思わせる熟した黒系果実の香りが広がります。さらに、ドライローズ、スミレ、森の下草、落ち葉、土を思わせるニュアンスが重なり、華やかさと落ち着きを併せ持つ複雑な香りをつくり出しています。
口に含むと、熟した果実の甘やかな風味が、みずみずしい酸とともに広がります。ボディは繊細で重たさを感じさせませんが、古木のブドウに由来する凝縮感と中心にしっかりとした芯があり、立体的な味わいが感じられます。
タンニンはきめ細かく、シルクのように滑らか。赤い果実、森の下草、土、スパイスの風味が一体となり、最後は優しく包み込むような、長く上品な余韻へと続きます。2022年は、果実の豊かさとエレガンスがよく表れたヴィンテージで、このワインについても、野イチゴ、クランベリー、ドライローズ、森の下草を思わせる香りと、細やかなタンニン、穏やかで優美なフィニッシュが評価されています。
畑は約0.5haで、1929年、1941年、1985年に植えられた、樹齢の異なるピノ・ノワールで構成されています。土壌には褐色の石灰岩、赤いシルト、泥灰土などが含まれ、多様な地質がワインに果実の奥行きとミネラル感を与えています。
2022年はブドウを全て除梗し、天然酵母を用いてコンクリートタンクで発酵。低温での浸漬を行った後、穏やかなルモンタージュやピジャージュによって、果皮から色、香り、タンニンを丁寧に抽出しています。全房を使用しないことで、古木由来の純粋な果実味と滑らかな質感を前面に引き出した仕上がりです。
発酵後は樽で約15カ月間熟成。新樽の使用は約20%に抑え、樽の香りで果実やテロワールの個性を覆い隠さないよう配慮されています。
【醸造所】
ドメーヌ・ベルトー・ジェルベは、ブルゴーニュ地方のフィサン村に本拠を置く、7世代以上にわたる家族経営のワイナリーです。
その歴史は18世紀末、ベルトー家がフィサンにブドウ畑を所有していた時代にさかのぼります。フィサンを中心に畑を拡大しながら、ジュヴレ・シャンベルタンでも長年にわたりブドウ栽培とワイン造りを続けてきました。
2013年、ドゥニ・ベルトーと、ヴォーヌ・ロマネのジェルベ家出身であるマリー=アンドレ・ジェルベの娘、アメリ・ベルトーがドメーヌを継承。父方のベルトー家の畑と、母方のジェルベ家から受け継いだ畑の一部を統合し、「ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ」が誕生しました。
アメリはボルドーで農学と醸造学を学んだ後、家族のドメーヌに参画。力強く堅固になりやすいフィサンやジュヴレ・シャンベルタンのワインに、果実の純粋さ、しなやかな質感、エレガンスを与えるスタイルを確立しています。
2017年には、夫のニコラ・フォールが栽培責任者として加わりました。ニコラはジャン=ルイ・シャーヴ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、プリューレ・ロックなどで栽培経験を積んだ人物で、自身のドメーヌも運営しています。
現在、ドメーヌはフィサンを中心に、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、フラジェ・エシェゾーなどに約18haの畑を所有。生産量の約90%を赤ワインが占めています。
畑では環境と生態系を尊重し、有機栽培の考え方を取り入れたブドウ栽培を実践しています。土壌の状態やブドウ樹の生命力を重視し、区画ごとの状況に合わせてきめ細かな管理を行っています。公式には「環境に配慮した、有機栽培志向の栽培」と説明されており、有機認証を前面に掲げるのではなく、畑の状態に応じた現実的で丁寧な栽培を重視しています。
醸造では天然酵母、コンクリートタンクでの発酵、穏やかな抽出を採用し、人的介入を可能な限り抑えています。新樽の使用も控えめにし、ピノ・ノワールの果実味と、それぞれの畑が持つ個性を素直に表現することを目指しています。
【お料理との相性】
赤系・黒系果実の豊かな風味と滑らかなタンニンを備えているため、鴨肉、牛肉、仔牛、豚肉など、旨味のある肉料理によく合います。
鴨胸肉のローストや鴨のコンフィは、特におすすめの組み合わせです。ワインのクランベリーやチェリーを思わせる風味が鴨肉のコクと調和し、細やかな酸が脂を心地よく引き締めます。ベリーや赤ワインを使ったソースを添えると、果実の香りがさらに引き立ちます。
ローストビーフ、牛フィレ肉のソテー、仔牛のローストにも好相性です。力強すぎないタンニンが肉の繊細な旨味を損なわず、古木由来の深みが料理に奥行きを与えます。
森の下草や落ち葉を思わせる香りを持つため、キノコ料理とも美しく調和します。鶏肉とキノコのクリーム煮、ポルチーニ茸のリゾット、キノコを添えた豚肉のローストなどがおすすめです。
魚料理では、マグロやカツオなどの赤身魚と合わせられます。表面を軽く焼いたマグロのステーキやカツオの炙りに合わせると、ワインの果実味が赤身魚の旨味に寄り添い、フレッシュな酸が後味を整えます。
和食では、牛肉のすき焼き、鴨鍋、焼き鳥のたれ味、牛肉やマグロのたたきなどがおすすめです。醤油やみりんを使った甘辛い味付けが、熟した果実味と滑らかなタンニンに自然になじみます。
チーズでは、エポワスやラングルなどのウォッシュタイプ、熟成したコンテ、ブリ・ド・モーなどと好相性です。
16~18℃程度でお楽しみください。若いうちは大ぶりのブルゴーニュグラスに注ぎ、ゆっくりと空気に触れさせることで、果実、花、森の下草、スパイスなどの複雑な香りが次第に広がります。
- 種 類:
- 辛口赤ワイン
- 産 地:
- フランス/ブルゴーニュ
- ブドウ品種:
- ピノ・ノワール100%
- 生 産 年:
- 2022
- アルコール度:
- 13.5%
- 容 量:
- 750ml