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Hubert de Boüard Chardonnay 2018
サン・テミリオンの名門Château Angélus(シャトー・アンジェリュス)を長年率いてきた醸造家Hubert de Boüard de Laforest(ユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ)が、「ボルドーのテロワールで、シャルドネという品種そのものを表現する」という発想から生み出した、異色の辛口白ワインです。
通常、ボルドーではブレンドによってシャトーの個性を表現しますが、このシリーズではあえて単一品種に着目。ラランド・ド・ポムロールのテロワールにChardonnay(シャルドネ)を植え、その可能性を追求しています。
2018年は、アプリコットや柑橘、熟したリンゴを思わせる果実に、レモンクリーム、ローストしたアーモンド、ほのかなトーストのニュアンス。
ふくよかで滑らかな口当たりを、生き生きとした酸とミネラル感が引き締めます。
ボルドーで造られるシャルドネという意外性だけでなく、豊かさとフレッシュさを高い次元で両立した一本。
ユベール・ド・ブアールの探究心を味わえる、個性豊かな白ワインです。
原産地表示はIGP Atlantique(IGPアトランティック)。
Chardonnay(シャルドネ)100%から造られる辛口白ワインです。
シャルドネはボルドーの伝統的なAOC白ワイン用品種ではないため、ラランド・ド・ポムロール周辺で栽培されながら、Lalande-de-PomerolやBordeaux Blancではなく、IGP Atlantiqueとしてリリースされています。
2018年当時の畑は約3.45ha。密植度は8,547本/ha、収量約50hl/ha、年間生産量は約14,000本とされています。
外観
明るく輝きのあるイエロー。若々しい透明感を残しながら、熟したシャルドネらしい豊かさを感じさせる印象です。
香り
アプリコット、熟したリンゴ、洋梨、ネクタリンを思わせる果実に、レモンやタンジェリンなどの柑橘。さらにレモンクリーム、ローストしたアーモンド、ほのかなバターやトーストのニュアンスが重なり、果実のフレッシュさと樽由来の香ばしさが調和します。
James Sucklingは2018年に、アプリコット、レモンクリーム、ローストアーモンド、濡れた石を思わせる香りを挙げ、90点を付けています。
味わい
口に含むと、熟したリンゴや洋梨、柑橘を思わせる果実味が滑らかに広がります。質感にはふくらみがありますが、シャープになりすぎない生き生きとした酸が全体を支え、豊かさの中に明瞭な輪郭を保っています。
Vinousも2018年について、トロピカルフルーツの香りとともに、酸のバランス、オレンジゼストや軽やかな柑橘、エネルギーのあるフィニッシュを高く評価しています。
余韻
柑橘、熟した果実、アーモンドを思わせる香ばしさが穏やかに続き、最後には酸とミネラルを感じさせる清涼感。樽熟成によるコクがありながら、重たさに傾かず、フレッシュでバランスのよい余韻を残します。
このシャルドネが植えられているのは、Hubert de Boüardが所有するChâteau La Fleur de Boüard(シャトー・ラ・フルール・ド・ブアール)のある、ラランド・ド・ポムロール周辺のテロワールです。2018年の商品資料では、土壌は砂を含む粘土石灰質の下層に、鉄分を含む砂利・礫質の層が重なる構成として紹介されています。
一般的な「ボルドー品種だからこの土地」という考え方ではなく、テロワールと品種の相性そのものを探ることが、このプロジェクトの出発点です。
収穫には小さな容器を使用し、畑で状態のよい果実を選別。醸造所へ運ばれたブドウは速やかに圧搾し、不活性ガスによって果汁と酸素の接触を抑え、シャルドネのフレッシュな香りを守ります。果汁は約48時間低温で静置した後、天然酵母によって約15日間アルコール発酵。
その後、フレンチオーク樽へ移し、18℃以下を保ちながらマロラクティック発酵を行います。熟成には400Lの樽を使用し、全体の醸造・熟成期間は約11カ月です。一般的なブルゴーニュの228L樽より大きな400L樽を使うことで、木の影響を過度に強くせず、果実の豊かさに滑らかな質感と奥行きを加えています。
ふくよかでありながら重たくない。
クリーミーでありながら、酸とミネラルがしっかり残る。
そのバランスこそ、このシャルドネの大きな魅力です。
Hubert de Boüard de Laforest(ユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ)は、ボルドー右岸を代表する醸造家の一人です。
1956年にSaint-Émilion(サン・テミリオン)で生まれ、Château Angélusのブドウ畑と醸造所に囲まれて育ちました。
ボルドー大学で醸造学を学び、近代ボルドー醸造学を代表するÉmile Peynaud(エミール・ペイノー)らの薫陶を受けます。その後各地で経験を積み、1980年にアンジェリュスへ戻り、1985年から経営を担いました。
ユベールの改革のもと、Château Angélusは1996年にPremier Grand Cru Classéへ、2012年にはPremier Grand Cru Classé Aへ昇格しました。
なお、アンジェリュスは2022年にサン・テミリオンの格付け制度から撤退していますので、現在の商品説明では「現行の第一特別級A」とするのではなく、歴史的な実績として扱うのが正確です。
1998年には、Lalande-de-PomerolのNéac(ネアック)に位置するChâteau La Fleur de Boüardを取得。畑と醸造設備を整備し、アンジェリュスとは異なるテロワールで新たなワイン造りを進めていきました。
このシャルドネにつながるプロジェクトが始まったのは2016年。ボルドーの伝統的な「複数品種をアッサンブラージュしてシャトーのスタイルを表現する」という考え方からあえて離れ、
「一つの品種が、一つのテロワールでどのような表情を見せるのか」
を追求しました。
最初に選ばれたのがChardonnayとSauvignon Blanc。その後、Sémillon、Merlot、Cabernet Sauvignon、Cabernet Franc、Pinot Noirなどにも展開されていきます。
現在、Château La Fleur de Boüard自身も、この取り組みを既成概念から離れ、さまざまな品種とテロワールの関係を探る実験的なプロジェクトとして位置づけています。
Hubert de Boüardはブルゴーニュのワイン造りにも強い関心を持ち、シャルドネについてはブルゴーニュ由来の苗木を導入。
現在のLa Fleur de Boüard Chardonnayでも、澱との熟成やバトナージュ、繊細な樽使いなど、ブルゴーニュ的な発想を取り入れながら、ボルドーの土地で独自のシャルドネを追求しています。ただし、現在のキュヴェは2018年とは醸造法が変わっており、現在はマロラクティック発酵を行わないスタイルへ進化しています。
ボトルのラベルに描かれているのは、ユベールが7歳の誕生日に父親から贈られた剪定ばさみ。
その後も栽培家として長く使い続けてきた、大切な道具です。
優れたワインは醸造所ではなく、まず畑の剪定から始まる――。
この剪定ばさみは、そんなユベール・ド・ブアールの栽培家としての哲学を象徴しています。
ボルドーだからボルドー品種を造るのではなく、その土地で最も興味深い表現を探す。
Hubert de Boüard Chardonnayは、名醸造家の経験と好奇心から生まれた、ボルドーの新しい一面を楽しめるワインです。
一番のおすすめは、帆立のポワレ 焦がしバターとレモン。
帆立の上品な甘味が、アプリコットや熟したリンゴを思わせるシャルドネの果実味に美しく寄り添います。
焦がしバターのコクと香ばしさは、レモンクリームやローストアーモンドを思わせるワインのニュアンスと好相性。
一方、生き生きとした酸がバターの豊かさを軽やかに整えます。
仕上げにレモンを少量添えることで、ワインの柑橘香とフレッシュさがさらに引き立ちます。
生産者・インポーター情報より
¥6,800 (税抜)


