グレープフルーツやオレンジなどの爽やかな柑橘香に、白桃、ライチ、繊細な白い花の香りが重なります。甘味は上品で、明るい酸と軽快な口当たりが全体を引き締めるため、重たさを感じさせません。
本格的なソーテルヌの凝縮感や濃厚さとは異なり、果実のフレッシュさと親しみやすさを生かしたスタイル。デザートだけでなく、食前酒、前菜、スパイス料理、チーズ、カクテルなど、自由な楽しみ方ができる甘口ワインです。
【ワイン】
外観は、グリーンの輝きを帯びた明るく透明感のある淡いイエロー。
グラスからはグレープフルーツやレモン、オレンジなどの柑橘類を中心に、白桃、ライチ、白い花を思わせる華やかな香りが広がります。空気に触れると、フレッシュハーブやツゲ、ほのかなアニスのような涼やかなニュアンスも現れます。
口に含むと、白桃や柑橘類のジューシーな果実味とともに、上品で控えめな甘味が広がります。オレンジピールやシトロンを思わせる爽やかなほろ苦さがアクセントとなり、生き生きとした酸が甘味を軽やかに引き締めます。
濃厚で粘性の高い貴腐ワインというよりも、明るい果実味と軽快な構造を備えた、親しみやすい甘口スタイルです。余韻には白桃、柑橘の皮、花、フレッシュハーブの風味が心地よく続きます。
2020年ヴィンテージのブレンドは、ソーヴィニヨン・ブラン50%、セミヨン50%。シャトー・ラボー・プロミの粘土を多く含む砂利質土壌の中から、専用に選ばれた区画のブドウを使用しています。
生産者は、ブドウが完全な貴腐状態になるまで待つのではなく、果実の糖分が凝縮し始める貴腐化の初期段階を見極めて収穫します。黄金色を帯び、香りが十分に表れた房を9月初旬に手摘みすることで、甘味だけでなく、果実のフレッシュさと鮮やかな香りを保っています。
残糖量は1L当たり約58g。シャトーの本格的なソーテルヌと比べて甘味を抑え、軽やかで飲みやすいスタイルを目指しています。アルコール度数は11.5%です。
【醸造所】
シャトー・ラボー・プロミは、フランス・ボルドー地方のボムに位置する、ソーテルヌの歴史あるワイナリーです。
その歴史は17世紀までさかのぼり、1855年のボルドーワイン公式格付けにおいて、ソーテルヌのプルミエ・クリュ・クラッセ、第1級に選ばれました。1950年にレイモン=ルイ・ラヌリュックが取得して以降、家族経営によってワイン造りが受け継がれています。
所有地は約40haで、そのうち約33haにブドウが植えられています。シャトー全体の品種構成はセミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン18%、ミュスカデル2%。粘土質と砂質の下層土の上に、ピレネー山脈由来の砂利が厚く堆積した土壌が広がっています。
シャトーは、ガロンヌ川とその支流シロン川に近い丘の上に位置しています。冷たいシロン川と比較的温かなガロンヌ川の影響によって霧が生まれやすく、ブドウにボトリティス・シネレア菌が付着することで、ソーテルヌ特有の貴腐ブドウが育つ環境が形成されます。
通常のソーテルヌ造りでは、畑を何度も巡り、貴腐や過熟が最適な状態に達したブドウだけを選んで手摘みします。収穫したブドウは選果台でさらに確認し、空気圧式プレスで穏やかに圧搾。ロットごとにステンレスタンクや樽で発酵し、樽で12~18カ月熟成させます。
一方、「レ・ラルム・ド・ラボー」は、ソーテルヌの伝統的な技術を生かしながら、より軽やかで自由に楽しめる甘口ワインとして生み出されました。完全に貴腐が進む前の果実を収穫し、柑橘類や白桃、花の香りと生き生きとした酸を残すことで、従来の甘口ワインとは異なる現代的なスタイルを表現しています。
畑では持続可能なブドウ栽培を重視し、処置を可能な限り抑えながら、除草剤に頼るよりも土を耕す方法を優先。森林や野生動物の生息環境を守り、生物多様性を保った、生命力のあるブドウ畑づくりに取り組んでいます。2020年ヴィンテージについては、HVE認証取得の記載も確認できます。
【お料理との相性】
上品な甘味と爽やかな酸を持つため、甘いデザートだけでなく、塩味、酸味、スパイス、香ばしさを持つ料理と幅広く合わせられます。
食前酒としては、生ハム、オリーブ、ナッツ、チーズを使った塩味のあるタパスがおすすめです。甘味と酸が料理の塩気を和らげ、柑橘や白桃の香りが食欲を心地よく刺激します。
スモークサーモンのタルトやキッシュ、サーモンのマリネにも好相性です。ワインの甘味がサーモンの脂に寄り添い、生き生きとした酸が後味をすっきりと整えます。アスパラガスを使った前菜も、生産者が推奨する組み合わせです。
肉料理では、鶏肉の照り焼き、鴨のオレンジソース、鴨肉のテリーヌなどがおすすめです。果実の甘味が照り焼きやオレンジソースになじみ、柑橘の酸とほろ苦さが肉の脂を引き締めます。
甘味と塩味の対比を楽しむなら、ブルー・ドーヴェルニュやロックフォールなどの青カビチーズもよく合います。ワインの上品な甘味がチーズの強い塩味を和らげ、果実香がチーズのコクを引き立てます。
デザートでは、ルバーブのタルト、柑橘のタルト、抹茶のマドレーヌ、マカロン、冷たいヌガーなどがおすすめです。デザートの甘さがワインを上回らないよう、酸味やほろ苦さを持つ菓子と合わせると、全体のバランスが整います。
カクテルの材料として楽しめることも、このワインの特徴です。モヒート、フレンチ・マティーニ、フレンチ75などに加えることで、白桃や柑橘、花の香りと上品な甘味を生かした、華やかなカクテルに仕上がります。
8℃程度までよく冷やしてお楽しみください。オン・ザ・ロックにすると、甘味がさらに軽やかになり、暑い季節の食前酒としても爽やかに楽しめます。